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ミラノ国際博覧会と日本の食文化

2015年5月1日から10月31日までの約半年間の日程でミラノ万国博覧会が開催されます。この博覧会はいわゆる「登録博覧会」で大規模博覧会として実施される。大規模博覧会としては2010年の上海万国博以来のものになる。ミラノでの万国博覧会は1906年以来、109年ぶりの開催となる。予定来場者数は2000万人が想定されている。
ミラノ万博のテーマは「地球を養う。命のためのエネルギー」(Feeding The Planet, Energy For Life)である。まさに、今の世界、日本が直面しているテーマといえる。現在、政府間、民間館などの構想が練られている最中だ。
ミラノといえば、すぐそばに宝飾のマチとしてビンゼンツァがあり、さらにヴェネチアがある。また、少し南下すればフィレンツェがある。さらに国境を越えれば鍛造製品(宝飾)で有名なフラー・ジャコー(スイス)があり、豊かな食文化のリヨン(フランス)がある。宝飾関係者ならミラノ万博開催中に容易にヴィチェンツァオーロ(宝飾展www.vicenzaorofall.it/)にも足を延ばすことも可能だ。
ミラノ万博を契機に、更に一段上の質のスローライフやスローフードが深められていくだろう。これまでの万博がブツの羅列の博覧会ならミラノ博は世界の人の命のセンスを競いあう史上初のテイストのEXPOになるのではないか。換言すれば、EXPOのルネッサンスとでも呼べるものになるのではないか。
日本の食文化ということでは、食べ物そのものはもちろん、レシピ、食とエネルギーの新しい関係、テーブルウェア、HyperLocalな地域に根差した食の習慣などにもスポットが浴びせられるだろう。
今回の鍛造博物館のテーマは、日本人の食事に欠かせぬ「箸」を取り上げ、志に志(SINISI)がすでに開発しているテーブルナプキン(商品名:SINISIエチケットジュエリー)も紹介しておく。これからは金属とテキスタイル(布)のアンサンブル(組み合わせ)がさらに盛んになると思うからだ。

多彩なステンレス箸・稀な鍛造箸

上越新幹線の燕駅前にある燕産業館には、各種の鍛造製品が展示されている。もちろん、刃物、食器(カトラリー)などが主力展示物である。その中に金属製の箸が飾ってある(写真参照)。


ここでは箸の歴史、民族ごとの違い、材質の多様性には触れない(省略)。ショーケースに飾ってある金属箸は、鍛造工程を経て造られたステンレス製の板をパイプ状にしたものの両端を閉じて箸の形にしたものだ。中は空洞で軽い。これらの金属箸はなんの用途に使うのか。 おもに料理のときに菜箸として使うようだ。
また、「金属の箸は火に強く、洗浄すれば衛生的」といわれている。 箸には箸置きがつきもの。竹製・木製・陶器製などがふつうだが、稀に金属製のものがある。こちらは箸と違い、軽くては困る。中身は空洞よりも重い方がいい。
また、最近は「箸に匙」という組み合わせが増えてきている。中華料理やタイ料理、朝鮮料理などではこの組み合わせはお馴染みだ。日本食の場合でも「散り蓮華」に箸の組み合わせも日常的に使用されている。汁物などを食する場合に使われる。
匙、つまりスプーンと箸の組み合わせでは、デザインや材質の統一性ということで、金属製箸、金属製匙のペアも豊富になってこよう。ギフトセットならデザイン性が求められる。今後は鍛造製品も登場してこよう。
ここでSINISIが独自に開発したエチケットジュエリー(吊りナプキン)を紹介しておこう。ジュエリーのチェーンで吊り下げらたナプキンだと考えていただければいいだろう。


フォーマルな食事のときや食堂車などでの食事のときに利用してほしい広義のテーブルウェアだ。
箸単品だけでなく、他の食器との統一性やナプキンまで考慮された(コーディネートされた)@Tableセンスこそ問われてしかるべきだろう。さらに、身に着けたジュエリー、時計などとの調和がとれていればいうことはない。一度、ためしていただきたい。

金属箸は装飾性よりも衛生面重視

アジアの食文化の面で、金属食器、金属箸が重用されているのは朝鮮料理だ。現在はステンレス製が主流で、日本のように銘々箸の風習は少ないようだ。日本では個々人用の箸箱があったりして、「公箸公匙」の風習は家庭においてはあまりみられない。菜箸や取り分け箸、盛り付け箸などは、多くの場合、同じ箸を使うが、最終的に個々人の箸が決められている場が多い。食堂やレストランではよほどのことがない限り「公箸公匙」で個人用の箸や匙は用意されていない。多くの場合は使い捨ての割り箸や竹製の箸が主流だろう。中華料理の場合はプラスチック製や竹製が中心で、もちろん「公箸公匙」である。日本食のように漆塗の箸は衛生面で、問題が残る。
食の文化というより、細菌類による食中毒を防ぐ意味から、煮沸して無菌状態にしておける点で、金属製の食器に優るものはなかろう。このことは調理器具全体にいえることで、真名板なども煮沸しやすい化学製品(プラスチック製品)などが幅を利かせている。
衛生面重視ということで、金属製の食器・調理器具類のシェアは増えていくだろう。包丁や鋏、小刀類などは日本刀の伝統をひく野鍛冶の技が重用されよう。まさにアート性に富んだものが主流だ。美しくなければ日本食文化に染まらないのである。

最後に銀製品の箸・食器類のコワイ話で締めくくりたい。

多くの文献によれば、朝鮮半島における金属箸・金属食器の多用は、銀食器の名残からだといわれる。
高麗王朝・李氏王朝の王族(貴族)・両班は、銀食器を利用していた。銀は硫黄・砒素と反応して黒く変色するために、暗殺を防ぐ意味あった。日本、中国や朝鮮半島などではかつては鉄や青銅などの食器が使われた歴史があるが、意識的に暗殺防止のために銀製品が多用されたということは、裏返せばそれだけ王族や両班間では暗殺がポピュラーだったわけだ。
戦国時代から江戸時代にかけて、石見銀山(島根県)は世界的にも有名な銀山で今日では世界遺産になっている。銀産出工程で大量に出る砒石を砕いた亜砒酸を主成分にした殺鼠剤「石見銀山ねずみとり」(通称:石見銀山)が衛生面で役立った。石見銀山とは毒のこと。銀は怖い。
ジャン・ヴァルジャンは銀食器を盗んだが、司祭に逆に銀の燭台を与えられて人間性をとりもどした。 銀は怖くもあるが、時には人間に「いぶし銀」の美学を与えることもあるようだ。

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